ぐるぐる

日記

7/16日記

西村賢太の『雨滴は続く』を読み、高橋弘希の『朝顔の日』を読み、本谷有希子の『ぬるい毒』を読み、綿矢りさの『インストール』を読んだ。西村賢太の作品以外は再読。どれも好きな作品で、小説を書き始めたくらいの頃によく読んでいたもの。最近、何を書けばいいのかわからなくなってきたから、原点に立ちかえるつもりで本を読んでいる。土日限定で。どれもやっぱり大好きで、そうしてあの頃よりも深く読めている気がした。特に『ぬるい毒』は読んでいる間ずっと辛くて、無理と思いながらも言葉の奔流に巻き込まれるように一気に読み切ってしまった。一気読みが素晴らしいというわけではないけど、その引力というか、言葉の力に圧倒されていたくて立ち止まることなく読んでしまっていた。強い言葉が使われているわけじゃない。ただただ積み重ねられる言葉が、続く言葉を強くしていっている。その文だけではわからない重みを次第に帯びていく様がありありとわかる、そういう意味で語りが非常に強力な意味を持たせる作品。大好きだ。昔から好きだったけど、あの頃はただその内容のエキセントリックさに惹かれていたけど、いまはそのエキセントリックとも思えるようにさせる語り方が、言葉が好きだ。小説として好きになったと言える。物語ではなく、小説として。それがなにより、今日読んでよかったと思えたこと。明日も休みだから、小説を読む。重苦しくて、読み進めるのが憂鬱なやつがいいな。ショーン・プレスコットの『穴の町』を読もう。