ぐるぐる

日記

3/4日記

久しぶりにあまり遅くならず仕事から帰れた。残業は当たり前のようにしたけれど、それでもはるかに少ない時間で帰ってこれて、逆に時間を持て余してしまった。眠たくてなにかをする気も起きないのに、ぼけっと起きていた。寝ればいいのに、音楽を聴いていた。きのこ帝国を久しぶりに聴いて、やっぱり好きだなと思う。私がきのこ帝国の楽曲でいちばん好きなのは「スクールフィクション」という曲で、きのこ帝国にしてはサビが激しめのロック調だ。前奏の最初の最初は軽やかなギターが跳ねるように流れ、一気に加速する。歌い出しは低い声で呟くように歌われ、静かな怒り、嵐の前の静けさのよう。曲全体に通底してるのは怒りの感情のように思う。歌詞としては、モラトリアムのただなかにいる人に向けて歌われているように思える。大人と子どものはざま。最後の叫ぶような「生きろ」という歌詞が胸に刺さる。この曲を聴いていた頃は、ちょうど創作を始めた時期で、わくわくと全能感に満たされていた。自分の技術不足も小説としての形をなしているかということあまりわかっていなかった。けれど、いちばん無邪気に創作を楽しんでいたような気がする。想像力が爆発していた。青かった。青二才、があの頃の自分に最もしっくりくる言葉だと思う。世間知らずで、生意気で、でも、楽しんでいて、いまの自分の創作への態度と少し違う気がする。不思議だ。小説を好きな気持ちは変わらないし、むしろ増しているようにも思えるのに、あの頃より目が肥えたせいか自分の小説に満足はできていない。書く上では大事なことなのだけど、趣味としてやるなら昔のほうが良かった。いまはもう、趣味じゃないのかもしれないな。趣味としてやりたい。趣味としての楽しさといまの姿勢を同時に使いたい。絶望しながら小説なんて書きたくない。未熟さに打ちのめされるのはつらい。でも、それ以上に成熟したい気持ちもある。自分が納得のいく小説を書きたい。誰に見せても恥ずかしくない小説を。

 

東京都、コロナ、10517人。