16538人、また最多を更新した。ここまで来るともう驚きは少ない。慣れてしまっているのだ。そもそも毎日ある病気に罹患する人数がニュースで常に取り沙汰されるこの状況そのものがおかしいというのに。インフルエンザなどであれば、その時季に感染した数は報告されていた気もする。とりわけ新型が出た時にはそうだったように記憶している。対人の仕方も変わってきている。私はこれまで人間が病気を持っているという前提で他者(特にすれ違うだけのようなまったくの他人)を見ていなかった。けれど、いまはもう自分以外の全員が感染している可能性を有していることを前提にしている。他者が触れたものや他者自体への忌避感情はそれを前提に誘発される。将来、コロナの無毒化(完全なものは無理として、パンデミックの終息)に成功したとき、私たちは他者をどのように見るのだろう。マスクが顔の一部と化した現状から再び元に戻るんだろうか。戻るだろうと思う。適応能力の異常さはこのパンデミックで嫌というほど実感させられた。だから、いずれポストコロナ(コロナの終焉という意味で)になれば生活様式は以前と微妙な現状を残しつつ、変化していくのだろう。それでもいいから、早くそうなってほしいと思う。早くそうなって、会いたい人に会いたい。
