ぐるぐる

日記

3/25日記

部屋と風呂を掃除し、靴を磨いた。家を出るまで1時間くらいだったので読みかけの太宰治の『斜陽』を読み終み終えた。各章の書き出しの文のパワーがすごい。ところどころにあまりにも良すぎる文章があり、そこにエネルギーを持っていかれる感じがする。とにかく力がある。本当に文体が強い。語りの力が勝利している感じ。いつか「ギロチン、ギロチン、シュルシュルシュ」でグラスを合わせてお酒を飲むということをしてみたい。

友人が大学を卒業し、就職も決まりそうということでささやかながらお祝いに寿司を食べてきた。値段はかなりするけど、お寿司の食べ放題。職人さんが握ってくれる、しっかりとしたお寿司。ネタも厚くて、食べ応えがあった。久しぶりのお寿司だった。友人とずっと日本人に生まれてよかった、と言い合ったりしていた。鯵がとにかく美味しく、六貫も食べていた。年々、お寿司につける醤油の量が減っていく。純粋な魚の味を感じられる年頃になってきたんだなあと思う。前回行ったときはウニがかなり濁って暗い色をしていて、正直美味しくなかったんだけど、今回は鮮やかな辛子色で、甘味もあり美味しかった。藁焼き鰹からは燻されたように煙の香りがして、バーベキューを思い出した。表現が悪い、と友人に笑われた。でも、実感としてキャンプをしたとになどに炭で肉を焼いている時の香りにとても近かったから、仕方ないと思う。主観的真実だと思った。お寿司屋さんで腹八分目から九分目ほど食べた後、いい雰囲気のカフェバーに行った。ああいった装いの店に行くのは初めてだった気がする。薄暗くて、でも顔が見えないほどじゃない。気にならない程度にジャズ調の音楽がかかっていた。カウンターの台の上にはたくさんの酒瓶が置かれていて、店員さんはタキシードのようなフォーマルな恰好をしていた。静かにビールを飲みながら友人と学生時代の話をした。その友人とは、高校も大学も、なんなら学年も違っているのだけど、共通の友人を介して知り合い、仲良くなった。唯一、歳下の友達と言える人。思えば私の交友関係は狭く、大体が同い年の人とばかりだから、今後も仲良くして行きたいと思った。単純に話していて楽しいのもあるけれど。いい雰囲気のお店だったな。しずかに話すにはちょうどいい場所。煙草が吸えるのも、個人的にはかなり嬉しい。今度、だれかじっくり話したい人と一緒に行きたい。

 

863人。