BFC3で左沢森さんの短歌連作を読んで以来、どこかで短歌を詳しく書いている本を読みたいなあと思っていて、偶然書店で見つけて購入した。テーマ別8章と付録2つの読み応え抜群の書籍。これを読んでもっと短歌を読みたくなった。第1章だと、恋の歌がテーマになっていて、どきりとするものから、恋っていいねとしみじみなるものまで穂村弘と東直子がそれぞれ挙げては解釈やそのレトリックなど含む技巧について語っている。短歌初心者としてはありがたい限り、知りたいことがたくさん書かれていた。まだまだ短歌は読んでいないし、いわゆる現代短歌しか読んだことがないから今度は古典に部類されるものを読みたい。やっぱり与謝野晶子かな、斎藤茂吉もいいな、などと思っている。以下にいいなと思った歌を少しばかり記録として残しておく。
したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ 岡崎裕美子
髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころは秘めて放たじ 与謝野晶子
夜道ゆく君と手と手が触れ合ふたび我は清くも醜くもなる 栗木京子
かへりみちひとりラーメン食ふことをたのしみとして君とわかれき 大松達知
母の日傘のたもつひめやかなる翳にとらはれてゐしとほき夏の日 大塚寅彦
そうですかきれいでしたかわたくしは小鳥を売ってくらしています 東直子
急行を待つ行列のうしろでは「オランウータン食べられますか」 大滝和子
えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい 笹井宏之
生前は無名であった鶏がからあげクンとして蘇る 木下龍也
三越のライオン見つけられなくて悲しいだった 悲しいだった 平岡直子
鵙は「ガリア人が(円都は〈滅びた〉と言った)と言った」と言った 吉川宏志
コロナは今日、東京で14445人。火曜日の最多だという。相変わらず減らない。電車の人もそれなりに少なくはなっているが、それでもやはり多いと思う。緊急事態宣言が要請基準としている病床数50%に到達。東京はもう待ったなしか。明日は久しぶりの在宅勤務でゆるゆる眠れてハッピー。おやすみ。